投稿 読書 エッセイ

池波正太郎『剣客群像』登場人物たちの生き様について

この本を私は手放せない。

みなさんはそんな本がありますか?

私にはあります。

池波正太郎著

剣客群像

学生の頃からアラウンド還暦になるまで、何度も繰り返し読んでいる本です。

この本は私にとって原点と言ってもいいかもしれません。

今回は

池波正太郎著 剣客群像

登場人物の生き様に何を見るか

というお話です。

この記事にはネタバレが含まれています。

※ 本ページはプロモーションが含まれています。 

心に刺さる 登場人物の生き様

剣客群像という本から、私は人生について学んでいると思います。

学んだではなくて、学んでいるのです。

学生の頃に始めて本書を手に取りました。

その後、何度も何度も繰り返し読んでいます。

読み始めに18歳だった私も今は50を超えるオジさんです。

剣客群像は短編集。

短編の中で登場人物達の生き様が私の心に刺さります。

ですが、読むたびにその刺さり方が微妙に違うのです。

以下、詳しくみていきましょう。

剣客群像という本

池波正太郎著

剣客群像

池波正太郎さんといえば

鬼平犯科帳、仕掛人藤枝梅安、剣客商売

が有名です。

これらはシリーズものですが、剣客群像は短編集です。

収録された短編集は全部で8話。

剣客、柔術家、手裏剣の名手、幕末の侍

さまさまな人物にスポットを当て、その生き様を描いています。

私個人的には池波正太郎は長編よりも短編がおもしろいと思います。

簡潔に的確にわかりやすく、しかもおもしろい。

池波正太郎の実力は短編にこそ遺憾なく発揮されると思っています。

なので、当然ですが、この短編集はおもしろい。

池波正太郎を読むならこの一冊は外せないと私は思います。

主人公達の生き様

この本の見どころは短編それぞれの主人公達の生き様です。

例えば短編集の中にある「秘伝」というお話。

剣の師匠が残した白紙の秘伝書。

この秘伝書について、三人の弟子がとったそれぞれの行動を描いた物語です。

三人の行動は見事なほどに三者三様。

それぞれの生き方に添った対応をします。

どの対応が正しいとか間違いとかではありません。

それぞれの生き様に素直に従って行動した。

それだけの話です。

学生の頃、社会人になって間もない頃。

この「秘伝」を読んだ時は

あー、三人とも考えが違って面白いなぁ

くらいに思っていました。

最近になってまたこの本を手に取りました。

「秘伝」を読み終えて、弟子達の三者三様さに思わずため息が出ました。

三人の弟子達は、間違いや正解など超えてひたすら自分の信じるままに生き抜きました。

自分の生き様を信じてひたすら生き抜いている。

なんて素晴らしいんだろう。

今まで私は自分の人生をこんな風に生きていただろうか?

自分の生き様なんてあっただろうか?

そんな気持ちが全部ため息になりました。

この本は短編集なので、他にもお話があります。

他の全ての話の中で、登場人物達はそれぞれの時代を生き抜いています。

それが正しいとか間違えているとかは問題ではありません。

ただ、自分の生き様を生きているのです。

人は必ず死ぬということ

この本に、私が気になる言葉が一つ出てきます。

それは次の言葉です。

「人が生まれてわかっていること、それは人はいつか必ず死ぬということ」

「そのことが分かっていれば自分の生き様に間違いはない」

話によって表現が少し違うのですが、言いたいことはだいたいこんな感じです。

最初に読んでいた頃は

「人はいつか死ぬのだから悔いが無いように生きよう」

というくらいに受け取ってました。

ですが、何回か読むうちに違うように思えてきました。

もっと深い何か真理のようなものがこの言葉に詰まっているような。

今読んでいてもこのことについて私は上手く説明できません。

でも、わかりかけている気もします。

私も歳を取って、若い頃より死というものが射程距離に入ってきたからかもしれません。

人は必ず死ぬ。

それがわかっていれば、生き方に間違いはない。

この言葉。

みなさんはどう思うでしょうか?

他の短編も紹介

この本は8話の短編が収められています。

全部は紹介しませんが、私のお気に入りをいくつか紹介します。

かわうそ平内

かわうそとあだ名される辻平内は門弟など一人もいないオンボロ道場の道場主。

うだつの上がらぬ貧相な彼が、敵討ちする兄弟の力添えをすることに。

敵討ち相手と対決するその日、平内の姿を見て相手は動揺しはじめる。

一体、平内は何者で敵討ち相手に何をしたのか?

平内の素直な生き様に思わず頬が綻ぶお話です。

弓の源八

弓を引くのが大好きで、弓矢狂いと言われていた小松源八。

兄が汚職事件に連座したため、召放ちとなり蟄居させられてしまう。

当初は落ち込み、憔悴し、弓を引くこともなく廃人寸前。

しかし、ある晩一人の女が源八のいる小屋に忍んでくる。

それから再び好きな弓を引くようになり、源八の人生が動き出す。

兄の汚職という「非常」を経験したため、日常に非常を意識した源八。

そんな弓矢狂いの一生を描いた作品。

ごめんよ

時は幕末。

下級武士の子である青山熊之助はゴロツキから弟を助けることができなかった。

そのことを弟に詫びることもできなかった。

だが、この事件をきっかけに強さを求めて剣術修行をすることに。

強い剣客となり、動乱の幕末を駆け抜けて時は流れて時代は明治。

果たして熊之助は弟に「ごめんよ」を言えたのか?

まとめ 『剣客群像』見るべきは生き様

池波正太郎著

剣客群像

本書は短編集です。

それぞれの短編に登場人物の「生き様」があります。

その「生き様」は私の心に刺さります。

何度も読み返しすたびにその刺さり方が微妙に変わります。

だから、私はこの本を捨てられません。

売ることができません。

手放すことができないのです。

私はこれからもこの本を何度も読み返すことでしょう。

ぜひ、この本を一度手に取って、登場人物の「生き様」を見てください。

最後にお願いです。

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  • この記事を書いた人

むにゅひこ

普段は楽しく用務員さんをしているアラ環オヤジです。趣味は釣りと登山、下手な料理、読書、DIY、ソロキャンプです。このブログでは用務員さんの仕事で見つけたDIY、自分が適応障害だった時の経験、趣味のこと、何気ない日常のことなどを雑談感覚で書いています。また、自分がした買い物で「いい買い物をしたな」という情報を積極的にみなさんに発信しています。暇つぶしに雑談を楽しむようなブログがコンセプトです。

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