投稿 読書 エッセイ 釣り

釣果だけが釣りじゃない 川の上流で見つけた贅沢な大人時間

釣りを楽しむには?

そんな問いがボクを襲った。

もちろん、魚が釣れた方が釣れないよりも楽しいに決まっている。

では、釣れなければ釣りはくだらないものなのか?

もし、釣れなかったとしても楽しくならないのか?

自分の工夫次第でどうにかならないのだろうか?

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渓流竿一本をリュックに詰めて、ママチャリで上流へ 

この日、ボクはママチャリに乗って出かけた。

行先は近くを流れている川。

いつも釣りに行く、ホームグランド。

でも、今回は少し違う。

いつもの川のもっと上流まで、行ける限界まで行こう。

そう思って出かけた。

リュックの中にエサや仕かけや小道具を入れて。

持って行く竿は渓流竿一本。

この一本に全てをかけてやる。

ボクは自転車を走らせてひたすら上流を目指した。

沈んだ気持ちをぶっちぎるように自転車のペダルを漕いだ。

本当に釣りを楽しめているだろうか? 

最近、釣りに行って沈んだ思いのまま帰って来る。

そんな日の釣果はゼロだ。

とにかく何をやっても釣れない。

アタリさえ無い。

その場で出来るあの手のこの手を使ったが、全くダメ。

釣果ゼロで落ち込んで帰って来る状態が最近続いている。

そんなことは釣りをしていればよくあることだ。

そのたびに

釣れる時は釣れる、釣れない時は釣れない

自分で自分にそう言い聞かせる。

それで、納得はする。

だが、気は晴れない。

釣れたら楽しい。

でも、釣れなかったら楽しくない。

これで本当に釣りを楽しんでいると言えるのだろうか?

釣れなかったとしても楽しくならないのか?

自分の工夫次第でどうにかならないのだろうか?

今日は何か工夫してやろう。

自転車を漕ぎながらそんなことを考えていた。

やがて神社が見えてきた。

記憶をたよりに、神社と澄んだ小川へ 

以前、かなり前に一度だけ来たことがある場所。

神社があり、そのすぐ近くに小さな橋がある。

ボクはそこを昔の記憶を頼りに目指していた。

進行方向右手に神社が見えてきた。

昔のままだ。

そこでお参りをする。

神社を背にして、少し行くと橋がある。

ここがこの川の上流へ行く限界だ。

この橋より川上は畑が両サイドに広がっている。

間違って私有地に侵入しかねない。

橋より川下の方へ釣っていくのが正解だろう。

川へ続く階段を下りれば小川の岸に簡単に行ける。

小川の水は澄んでいて、魚が泳いでいるのがハッキリ見える。

すぐ近くには住宅街と公園がある。

公園には桜並木がある。

今は秋なので季節ではないが、春には桜がキレイなのだろう。

いい場所だな。

自然と生活が融合している。

釣りをする前にすでにいい気分になった。

試行錯誤のミャク釣りとウキ釣り 

最初はミャク釣り、ウキをつけない仕掛けで釣り始めた。

いつもなら川魚は釣っても逃がしてしまう。

つまりキャッチ&リリースだ。

でも、今回は今までと違うことをしようと思っている。

それは川魚を持ち帰って食べるということだ。

とは言っても全部じゃない。

ハリを飲み込んでしまった魚に限るという決まりを作った。

一度ハリを飲みこむとなかなか取れない。

無理矢理取れば魚は死ぬ。

結局ハリを残したままリリースすることになる。

ハリを残した魚は死なずにそのまま生きることができるそうだ。

だが、それならいっそのこと食べてやった方がいいのでは?

そう思うのはボクのエゴだろうか?

そんなことを考えながら釣っていると一匹釣れた。

5cmに満たない小さいやつ。

この川の魚は警戒心が強くて、特に大きめの魚はすぐに逃げてしまう。

なので、ミャク釣りのように直下で釣る仕掛けでは小さな魚しか釣れそうもない。

もう一匹釣れた。

やはり、5cmに満たない小さなやつ。

しかも、ハリがなかなか取れずに魚のくちびるを切ってしまった。

ボクは仕かけをミャク釣りからウキ釣りに替えた。

だが、釣果は変わらない。

というか全く釣れない。

釣り方を変えてみる。

仕かけを下流へ流すようにしてなるべく自分からウキを遠ざけて釣った。

なかなか釣れなかったが、なんとか2匹釣れた。

時計をみると時間は正午に近い。

もういい時間だ。

合計4匹釣れた。

数が悪いのでもう一匹釣ろう、などとは決して考えてはいけない。

ここが潮時だ。

ボクの直感がそう告げている。

納竿して、後片付けをした。

川に向かってお辞儀する。

そして、いつも必ず言う。

「ありがとうございました。」

釣りの後は おはぎとコーヒーで大人時間 

今日のメインは釣りだが、実はもう一つイベントを用意していた。

以前、ここに来た時に和菓子屋を見つけていた。

今日、この釣り場に来る前にもその和菓子屋の前を通った。

よしよし、まだ店をやってくれているようだ。

通りながら、後で絶対に寄ると決めていた。

釣り道具をまとめて、再び自転車にまたがった。

川から離れて、大き目な通りに面した和菓子屋を目指した。

ここからそんなに遠くは無い。

すぐに和菓子屋に着いた。

自転車を止めて店に近づく。

この和菓子屋は店内では食べられない、持ち帰り専門だ。

このお店はおはぎがメインらしい。

カウンター越しにおはぎを2個注文した。

店舗のすぐ裏に公園があった。

そこのベンチに陣取る。

ボクは持参したカップにインスタントコーヒーと水筒の水を注いでコーヒーを淹れた。

おはぎとコーヒーを並べる。

秋晴れの公園。

木陰のベンチ。

陽射しはまだ、夏の名残がある。

でも、そよ風が冷たくて心地いい。

青空の下、ボクはおはぎとコーヒーを味わう。

なんとも贅沢な時間だった。

こういうのを大人時間とかいうのだろうか?

幸せだった。

釣行の全てが楽しくなった

ボクは緩やかな下り坂を自転車で走っていた。

帰り道で考えたことはこんな感じ。

天気のいい中で釣りが出来てよかったな。

川がキレイでうれしかった。

2匹目に釣れた魚には悪いことをした。

釣れた4匹は全部小さかった。次はどんな工夫をすればいいのかな?

もっと大きめの魚を釣りたい。

川釣りも面白いな。

次は釣り竿を変えて挑んでみようか。

あの和菓子屋さん、おはぎおいしかったな。また行きたい。

釣れて楽しかったのも確かにあるけど、釣果はどちらかと言えばちょっと悔しい。

釣行の全部が楽しかったんじゃないか?

上流を目指すわくわくも。

いい天気で川がキレイで、住宅街の中に小さな自然を感じて。

魚の方が頭が良くて、次はどうやって釣ろうかなと試行錯誤して。

たとえ釣れなかったとしてもおいしいおはぎが食べられて。

公園のベンチで幸せな時間を過ごした。

釣り時間の全てを思い出している帰り道がまた楽しくて。

結局、釣行そのものが楽しいことに気がついた。

釣れても釣れなくても、釣りは楽しくなる。

こんな風に全部の過程を楽しむことができれば。

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  • この記事を書いた人

むにゅひこ

普段は楽しく用務員さんをしているアラ環オヤジです。趣味は釣りと登山、下手な料理、読書、DIY、ソロキャンプです。このブログでは用務員さんの仕事で見つけたDIY、自分が適応障害だった時の経験、趣味のこと、何気ない日常のことなどを雑談感覚で書いています。また、自分がした買い物で「いい買い物をしたな」という情報を積極的にみなさんに発信しています。暇つぶしに雑談を楽しむようなブログがコンセプトです。

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