命日が近いせいなのか?
亡くなった親父との思い出がちらほら思い出されます。
世の中の所謂普通の親父とは少し違った親父でした。
いくつかある親父との思い出から一つ紹介します。
(今回は酒豪だった親父がバカ息子のおかげで災難に遭うお話です。)
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親父がナポレオンをもらった
お歳暮やらお中元などで結構もらいものする家庭でした。
酒豪だった親父のことを思ってなのか?お酒の贈りものが多かったです。
そんな中、親父の酒の棚に1本のお上品なビンが追加されました。
ナポレオンです。
「ナポレオン」はブランデーの等級のことなのです。
私には難しくて今でもよくわかりません。
なんか高級なお酒、くらいに思ってください。
詳しくはこちらで見て頂くといいと思います ↓
親父がいいお酒をもらった。
ずーと封を開けずに取って置いている。
恐らく晴れの日に飲むのを楽しみにしていたのではないでしょうか?
私はクワガタを増やしたい
私が子供の頃、住んでいたのは雪深い北国です。
イメージです
北国とはいえ短いけど夏だってあります。
今はどうか知りませんが北国にカブトムシはいません。
夏休み、クワガタを取りに行っていました。
イメージです。
クワガタといっても小さなやつです。
確かエゾクワガタという種類だったと思います。
ちっこいクワガタでも少年の心は踊ります。
家の虫かごには既にクワガタがツガイでいました。
私の兄がとってきてくれたのです。
当時、おそらく小学校低学年だった私は
自分でもクワガタを取りたい
と、小さな情熱を持っていました。
学習雑誌や図鑑なんかを参考にしてクワガタを捕まえる作戦を立てます。
- 木の幹にエサを塗っておびき寄せよう
- 酒、砂糖で寄って来る
という耳寄りな情報を文献から得ることができました。
私はさっそく作戦実行に移りました。
ナポレオン クワガタ
小さな私は兄のように高い場所には登れないし手も届きません。
なので木にエサを塗っておびき寄せて捕まえる作戦を展開しました。
エサの準備です。
酒と砂糖。
砂糖は台所にあるものを勝手に拝借しました。
問題は酒です。
親父に言って分けてもらいましょう。
クワガタを取りに行くのは朝です。
朝6時くらい。
寝ている親父の枕もとで声をかけます。
「お父さーん、クワガタとるからお酒使っていい?」
「ムニャムニャ・・・なんでもいいぞ・・・使え」
許可が下りました。使いましょう。
参考文献には日本酒と書いてありましたそんなものは見当たりません。
私の目にとまったのはいかにも高級そうなビンです。
イメージです。
これならきっと、クワガタがいっぱい寄ってくるに違いない!
迷わずそのビンに手をかけました。
まだ封が開いていません。
仕方ない、ボクが開けてあげよう。
開封した高級そうなビンからドバドバ酒を使いました。
さすがに全部は使い切れず、1/3は残りました。
エサの準備ができたので、私は意気揚々と出かけて行きました。
クワガタ捕獲できず
結果は一匹も取れませんでした。
エサのナポレオンを塗った木に寄り付きもしません。
ただ、ナポレオンをムダに消費しただけでした。
ちなみにお砂糖ナポレオンがまだ余っていました。
わたに染み込ませました。
もともと飼っていたクワガタの虫かごに入れました。
次の日。
クワガタは二匹ともひっくり返っていました。
酔っ払ったのでしょうか?
怒られませんでした
今にして思えば不思議なのですが叱られた記憶がありません。
親父のナポレオンをムダに消費したバカ息子も大人になりました。
ナポレオンの価値をわかるようになって思います。
あの頃の自分に会えたら説教してやりたい。
ですが、大人になってからも両親からは何も言われません。
この件についてはどうやら不問にされたようです。
息子に大切なナポレオンをムダに消費されて親父は何を思ったのでしょう?
亡くなって久しい親父に、今となっては聞くすべはありません。
親父の困り笑いが思い出されるだけです。